住みながら整えていく、古民家暮らし

古民家は「完成品」ではなく、「暮らしながら育てる余白のある家」。
全改修ではなく“必要なところだけ”を直して住み始めた、設計処 柳屋さんの実例をご紹介します。
この再生プロジェクトは、『令和6年度 “信州の木”建築賞・優秀賞』を受賞しています。
■築100年の古民家

長年空き家となっていた、大正時代の古民家。
垂木や柱は傷み、屋根は穴が空き、あちこちで雨漏りが発生。壁の漆喰もところどころ剥がれ落ちている状態。
築100年の古民家が持つ良さを残しつつ傷んでいる部分を直し、低予算でありながらも自然を取り入れた快適で豊かに暮らせる住まいを目指し改修。
■暮らしをはじめるための、最小限の改修
傾いていた建物は、ジャッキアップによって歪みを修正し、構造的に不安のあった古い梁柱に寄り添うように新しい梁柱を追加。また、制震ダンパーや耐震リングを取り付けることで耐震性能を確保しました。老朽化が進んでいた屋根は全面的に葺き替え、使われていなかったスペースは部分解体することで、建物全体のバランスと使いやすさを整えました。




約80坪という広さを持つ建物を全面改修するには、一般的な新築住宅を上回るコストがかかります。
そこで、建物内に断熱性の高い居住スペースを設け、冬でも快適に過ごせるコンパクトな暮らしの拠点をつくりました。


小さな“暮らしの核”を内部につくることで、コストを抑えながらも快適な暮らしを実現。


開放的な空間に生まれ変わりました


■DIYと小さな手直しの日々
改修は現在も進行中。
少しずつ手を加えながら全体を育てていく、段階的な再生計画です。



屋敷林を伐採し製材した杉材を使い、自家製の焼杉板で西側外壁を新たに造作。
そのほかにも、既存の壁土を再利用し、土壁の補修も進めています。
少しずつ手をかける作業も、楽しみのひとつに。
■「未完成」を楽しむという選択肢

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【設計処 柳屋】
松川村を拠点に夫婦で営む一級建築士事務所。
・古民家再生の専門家登録
・長野県木造住宅耐震診断士
・既存住宅状況調査技術者
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古民家再生は、一気に仕上げるだけが正解ではありません。
まずは必要なところから、無理のないペースで整えていく。
“安曇野くらしの不動産”は、こうした“住みながら手を加えていく”再生のかたちも、
とても大切な選択肢のひとつだと考えています。
すぐに完成しなくてもいい。
むしろ、時間をかけて向き合うことで、家も暮らしも、より自分たちらしい形へと育っていく。
そんな暮らし方に、心惹かれる方はぜひ一度ご相談ください。
■古民家の再生事例から考える、不動産の“これから”
かつて人が暮らし、にぎわいがあった家や建物。
しかし、時代の流れとともに空き家となり、朽ちていく様子に心を痛めておられる方も少なくありません。
私たちがご紹介する「設計処 柳屋」さんの古民家再生は、そうした家にもう一度息を吹き込み、
“これからの暮らし”へとつなげていく取り組みです。
もし今、所有されている不動産について
「もう使い道がないかもしれない」
「どうしたらいいかわからない」
と感じているなら、私たちから“ひとつの可能性”をご提案させてください。
それは、「手放す」でも「壊す」でもない、“活かす”という選択肢です。
もちろん、すべての建物が残せるわけではありません。
けれど、その家にしかない魅力や素材を活かせる方法が見つかるかもしれません。
そして、その価値を必要としている誰かにバトンを渡すこともできるかもしれません。
私たちは、建築士や地域の専門家と連携しながら、
家の状態を見極め、その場所の“これから”を一緒に考えていくお手伝いをしています。
あきらめてしまう前に、ぜひ一度、”安曇野くらしの不動産”にご相談ください。